今年の夏は記録的な冷夏であったが、「ナマズ」君は休むことなく活発に動いている。即ち、7月26日に宮城沖地震、9月26日に十勝沖地震と、このところ立て続けに地震が発生している。「今度は東京の番だ」と言う説に従い、自宅待機を命じた会社もあった。このような事前予防は新しい形の防災対策である。我々は常に新事象に関心を持つ必要がある。例えば、新潟地震で県営住宅が液状化により倒壊した。それ以降、重要構造物には液状化対策が施されるようになった。今回の十勝沖地震でも液状化対策をした港は被害が少なかったが、その対策がなされなかった港は大きな被害を受けている。また、阪神・淡路大地震では、どんな大地震でも倒壊しないと考えられていた高速道路が数百メートルに渡って倒壊した。これは一説によると、紀伊半島に当たった地震波の反射波と地震波が合成されて、異常な力が構造物に働いた結果、倒壊したという。また、新潟地震でも石油タンク火災は発生したが、メカニズムは解明されなかった。今度の十勝沖地震で、タンクの構造物の揺れとタンク内の液体の揺れが合成され、蓋がその揺れに耐えきれなかったという原因が明らかにされた。地震防災のほんの一部分を見ても、このように日進月歩である。どんな有能な人でも、また力のある組織で働く人でも全ての情報を集め・咀嚼することは至難の業である。更に、街づくりにおいては、防災だけではなく、変化の早い市民ニーズに対応した施策が求められている。
東京都防災・建築まちづくりセンターの「住宅・まちづくりフロンティア講座」は街づくりに必要なあらゆる施策についてタイムリーに取り上げ、充実した講師陣を配して、分かりやすく解説している。小さなNPOを率いる私にとってはかけがえのない存在である。今後の益々の活躍を切に願う次第である。
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